やっぱり何よりもロックンロールが
一番カッコよく思えてしまったからです。
あああ。
そんなこんなで僕が十四才から
今までに出会った「衝撃」のレコードだけを
取り上げて皆様に紹介したいと思います。
十代、二十代、三十代の皆様、
急いで聞いて下さい。
ていうか貸してアゲマス。
いやテープにとってアゲマス。
四十代、五十代の皆様
「うるさいのンは、かなんわ!」
そう言わずに我慢して聞いて、
その後、思春期のお子さま達におススメしてあげて下さい


 当時、僕、十四才。
テレビからながれてくる音楽、歌謡曲ぐらいしか、知る由もなく、
学校に無邪気に通っていました。
(当時はおニャん子クラブが好きでしたなー)

ある日の帰り道、本屋で立ち読みして、
なにかの雑誌をひらけると、
なんとそこに ひんまがったクチビル、
ツンツンに立てられた髪の毛、
破れたTシャツ… ひヤー、なんじゃこの人たち????

そのイギリス人四人組のバンドの姿と名前をしっかと頭にたたきこみ、
貸しレコード 店に飛び込んだのでした…。
ここから「自分」が大きく変わっていくことも知らずに ………。

アルバムのタイトルは『勝手にしやがれ!』(ジュリーじゃないよ。)
さてレコード の針を落とすと数秒後に
稲妻がカラダの中に走った!!!のです。
本当に走ったので した。

まず行進する足音のSEに始まって、耳をつんざくギターの音!!!
「来たアア アアア」というヤツです。
(当時はギターがとても歪んでいる様に聞こえました。
て いうか歪んでいてくれという僕の思い込みだったのでしょう。
今聞くととても素直な 音に聞こえます………。)

僕は知らず知らずにクチビルをひん曲げていました。
そして歌の内容はというと、
レコード会社を罵り、
イギリス皇室をバカにし、
無政府 主義を高らかに唄う…
なんやムチャクチャやなあ〜、
こ、こ、これがパンク!?

でもなぜか弱い者が「権力」に対してキバをむく…じゃないけど、
なんかそんなとこ ろがいいなと思ったりとか、
服は汚いけれど、とてもまっすぐな心を持ってンじゃない か?
ひょっとしてこの人たちは…。
とか思ってました。

案の定、ギターに憧れ、
ウォークマンに「勝手にしやがれ!」のテープをいれて、
髪の毛を立たせて、電車に乗って高校へ通うようになりました。
このバンドのことを知 らない友だち、みんながアホに見えました。
「勝手にしやがれ」 知らんのか?アホかおまえらは?……
(当時は、ですよ。)

そのバンドとは、
ジョニ−ロットン率いる 『セックスピストルズ』(イギリス)
なの でした!

たった一枚のレコードで人間がもっていかれるモンかな〜。
でも、きっとこのレコー ドを聞いて
クチビルをひん曲げてみた少年は全世界に何百万人いるのです。
それほど 有名かつ悪名高きこのレコード。
一度聞いてみて下さい。
(ところでクチビルをひん 曲げるって言う意味わかりますかー?)

お大師様も、もしお聞きになられたら、きっ とピストルズに共感するにちがいないですよ。僕はそう思います。

第一番札所
アルバムタイトル:『勝手にしやがれ!』1977 イギリス
バンド:セックスピストルズ